第1回<大正4年>全国中等学校野球選手権大会

予選関西大会 豊中球場

<決勝> 和歌山中学 2-1 市岡中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山中 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2
市岡中 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1

 和歌山中2回表好機を逸した後、市岡得意のバント戦法で1点を先取したが、その後かえって固くなり6回入るや、中島投手二死乱れて押し出しの2点を与えて、攻守所を替え和歌山中の意気大いに上がって制勝。関西代表となった。

全国大会 豊中球場

<1回戦> 和歌山中 15- 2 久留米商
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山中 3 0 0 0 0 2 0 9 1 15
久留米商 1 0 0 0 0 1 0 0 0 2

 先攻の和歌山中は四球2個と矢部の適時安打、中筋の左中間二塁打で計3点を入れたが、久留米もその裏3安打連発して1点を返し前半は小康を保つたが、6回に至るや和歌山中一死満塁となり、四球押し出しと遊匍失に2点追加した。久留米はその裏、和歌山中内野陣の連失で1点を報い善戦したが、8回無死満塁のピンチにバント攻めを食らって混乱し、安打を織り交ぜて一挙9点を奪われ勝敗を決した。

<2回戦> 和歌山中 7-1 鳥取一中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山中 0 0 0 0 0 0 0 0 7 7
鳥取一中 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1

 鳥取は終始走者を出して圧迫しながら、しばしば無謀な盗塁を企て矢部捕手の強肩に刺され好機を逸したことと、バント守備法を知らなかったのが敗因。
 和歌山中は鹿田投手の外角玉に完封され僅かに1安打、二塁に達した者1人という貧攻ぶりで8回裏に犠打と遊葡失に1点を与え敗色いよいよ濃厚と見えてきたが、最終回バント攻めに鳥取守備全く混乱し一挙7点を入れ快勝した。

<準決勝> 和歌山中 1-1 京都二中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山中 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
京都二中 0 1 0 0 0 0 0 0 × 1

 和歌山中先攻、2回表にむかえた好機を巧みに生かして1点を先行したが京都二中もさるもの、その裏長打を放って同点にこぎつけ、以降戸田・藤田両投手の投げ合いは1点を争う熱戦となったが、9回表一死後のとき降雨激しく、ドロンゲームとなる。

<準決勝> 和歌山中 5-9 京都二中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山中 0 2 0 0 0 0 0 3 0 5
京都二中 2 0 1 1 1 1 2 1 × 9

 京都二中は1回二死後、遊葡トンネルを中堅手も後逸して1点。更に三葡に2点を先行し、3回以降毎回はよく打って小刻みに得点を重ねた。
 一方和歌山中は2回2走者を置いて小笠原右前安打で2点、8回は二死満塁となって四球押し出しと戸田の二葡失に3点を返したが時既に遅く涙を呑む。