第21回<昭和24年>選抜高等学校野球大会

<1回戦> 桐蔭 3-2 兵庫
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
桐蔭 0 0 1 0 0 0 0 0 2 3
兵庫 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2

 桐蔭3回金丸右前に放った一打は不規則バウンドして野手の頭上を越しランニングホーマーとなり、更に9回2点を追加した。西村投手は好調で6回まで、三振16を数え新記録成るかと思われたが前日よりの発熱を押さえての登板のため、後半は疲労甚しく兵庫の執拗な反撃を食い2点を奪われ、尚二死走者二、三塁打者カウント2-2の時、本塁を敢行されたタイミングからみて完全にセーフだったが投球きまって三振に討ち取り危く勝つ。この試合に桐蔭西村投手は三振18を奪い本大会新記録を作った。

<1回戦> 小倉 5-2 海南
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
小倉 0 0 0 0 0 0 5 0 0 5
海南 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2

 小倉福島投手の立ち上がりを衝いた海南の攻撃は見事だった。四球の2走者をおい木下の痛打は左中間を痛烈に破る三塁打で2点を先取。しかし調子をとりもどした福島に追加点をあげることができず逆に7回福島の本塁打を含む長短3安打で一挙5点を奪われ小倉の軍門に降った。

<2回戦> 北野 6-3 桐蔭
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
北野 0 0 2 0 1 3 0 0 0 6
桐蔭 0 0 0 0 0 2 0 0 1 3

 桐蔭は四球禍で自滅した。先発の西村は5回なかば松島と交代するまで四球8、松島もその後1回半で6個を出す乱調振りで6回には内野失を織り交ぜ押し出しの点まで与えてはどうにもならない。一方北野の左腕多胡は曲球と直球の配合よく打者を料理し、6回西村の三塁打その他で2点9回1点を取り返されても味方のリードに動揺せず悠々制勝した。