第23回<昭和26年>選抜高等学校野球大会

<1回戦> 新宮 0-9 扇町
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
新宮 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
扇町 0 4 1 0 1 1 0 2 × 9

 入場式直後の試合は精神的に難しいものだが、扇町はよくこれを征服した。これに対して新宮は1回目のスタートはよかったが、もう少しの打ち込みが不足して崩れた。扇町は2回横山失策に生き北田二塁打、高尾三塁打、生野の安打、捕逸で一挙4点を入れて大勢を決した。扇町横山投手は横手投げのアウトカーブとシュートに制球力もよく力一杯の投球力は立派であった。新宮杉本もよく身体を使っての上手投げは横山と好対照振りであった。
 雨中に試合は続けられ幸運と不運も手伝っていたが、結果からみれば扇町に優秀さが数多くあった。扇町が3回岡本の三塁打から1点。5、6回には谷尾の二塁打、小川、生野の安打が出て各1点、更に8回失策、2安打で2点を加え好調の波に乗ったのに反して新宮は不調そのものであった。初陣の新宮が入場式直後、地元チームと対戦雨中の戦いとなったのは不運の極みで技術的に見れば決してこれ程惨敗するチームではない。