<2回戦> 智辯和歌山 6-5 東邦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | |
智辯和歌山 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 |
東邦 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 5 |
智辯和歌山は東邦と対戦し、本田の三塁打などで中盤に3点をリードしたが、追いつかれ、10回に上野の左中間適時打で1点を勝ち越し、逃げ切った。
試合開始時のどんよりとした空模様は青空ものぞく天気になっていた。同点で迎えた10回、森本が三塁線を抜ける安打を放ち、二死2塁で打席は先頭の上野。この日、4打数1安打と今ひとつふるわなかった。東邦の左腕三浦の初球、得意のカーブが高めに浮いたのを見逃さなかった。この二塁打が決勝打になり、約2時間半の接戦が終わった。
5回、本田の中越え三塁打などで5-2と点差を広げ、先発した滝谷は2回に2点を先制されたものの復調し、6回まで東邦打線を3安打に抑えていた。7回、一死1塁で本田が急きょ登板。昨秋の近畿大会で途中登板して逆転負けをした本田は気負いから球が甘くなり、長短打で一挙に同点に追いつかれたが、延長で東邦を突き放し、そのまま逃げ切った。
東邦は7回、二死満塁で江口の走者一掃の二塁打で追いつくなど、好守備もあり、中身の濃い試合だった。
<3回戦> 浦和学院 6-7 智辯和歌山
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 計 | |
浦和学院 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 6 |
智辯和歌山 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1× | 7 |
智辯和歌山は優勝候補とされる浦和学院と対戦し、延長12回の接戦の末、7-6で振り切った。序盤に4点を先制されたが、7回に山本の適時打で逆転。12回に本田が左越えにサヨナラ本塁打を放ち、ベスト8入りを決めた。
延長12回。浦和学院のエース須永の222球目だった。内角の直球を振り抜いた本田の打球は、まっすぐに左翼席に飛び込んだ。5回にも二死満塁から中前へ2点適時打。森川の本塁打で動揺した須永の甘いボールを見逃さなかった。本田は先発したものの、暴投などで2失点を許して早々と降板した悔しさをバットで晴らした。
主将の山本も攻守でチームを引っ張った。1点を追う7回、満塁で打席に立った。3球三振だった前の打席が頭によぎる。「おれが何とかしなければ」。変化球をとらえた打球は左中間を破り、走者一掃の逆転二塁打。2回の守備では右中間の深い飛球に追いつき、追加点を阻んだ。
浦和学院は9回二死から同点に追いついたが、2番手滝谷の粘り強い投球の前にあと一本が出なかった。
<準々決勝> 智辯和歌山 0-13 徳島商
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
智辯和歌山 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
徳島商 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 | 2 | 0 | 5 | × | 13 |
智辯和歌山は徳島商の平岡に7安打に抑え込まれ、守備でも大量失点につながるミスが出るなど0-13で敗れて、春夏通算52試合目で初めて完封負けを喫した。
この日もすべり出しは順調に見えた。2回のピンチも、後続を断った。しかし先発した坪内は3回に2点、5回に4点を奪われる。「甲子園に出るチームだけに、甘い球を逃さずに打たれた」と悔しそうに振り返った。危機を乗り切るたびに、ベンチから励ましてきた滝谷は6回から登板。これまでの2試合、力のある直球とたての変化球で好投してきた。「打てるものなら打ってみろ」と強気で投げ込んだが、浮いた球を8回に連打された。
智辯和歌山は最後まで攻守がかみ合わず、初の完封負け。平岡に力負けして、選手たちは試合後「どんな投手にも打ち勝てるようになって、甲子園に戻ってくる」と、夏への意気込みを口にした。
徳島商は3回に2点を先制、5回にも相手の守備の乱れをついて追加点をあげ、その後も打線が奮起して着実に加点していった。エース平岡は制球がよく、勝負どころでは内角の速い球で攻めた。1回のピンチで4番の本田を打ち取って精神的優位に立ち、強気の投球で智辯の強力打線をねじ伏せた。