第78回<平成18年>選抜高等学校野球大会

<1回戦> 伊万里商 0-4 智辯和歌山
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
伊万里商 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
智辯和歌山 0 0 3 1 0 0 0 0 × 4

 智辯和歌山は佐賀県代表の伊万里商と対戦。3回に適時打を連ねて3点を先制して主導権を握り、先発・竹中が粘り強い投球で相手打線を完封し、4-0で快勝した。
 智辯は3回、廣井の左前安打と四球の二死1、2塁から亀田の右前適時打で1点を先制。さらに2、3塁の好機に7番馬場が相手投手のスライダーを中前へはじき返し、2者を本塁へ迎え入れた。勢いに乗った馬場は直後の4回、先頭打者が打った左前への安打性の飛球を飛び込んで好捕する好プレーを見せる。続く4回にも追加点をあげ、流れをつかんだ。
 先発のマウンドに立った竹中は制球が良く、直球にスローカーブを織り交ぜるなど伊万里商を翻弄。特に光ったのがピンチで見せた強気の内角攻めで、3回と6回のピンチも内角直球で打者を打ち取り、終盤も力のこもった球で押し切って、散発4安打で完封した。
 伊万里商は先発の多久島が緩急を使って粘り強く投げた。横手に近い位置からの115キロそこそこの緩急で相手のタイミングをはずす頭脳的な投球で強打の智辯打線を翻弄したが、左打者に打たれ、守りのミスも出て失点につながったのが惜しまれる。

<2回戦> 智辯和歌山 7-10 岐阜城北
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
智辯和歌山 0 0 6 0 0 0 1 0 0 7
岐阜城北 1 0 5 2 1 0 1 0 × 10

 2回戦で智辯和歌山は岐阜城北と対戦。自慢の強力打線で3回に一挙6得点したが、守備の乱れで試合の流れを逃がし、打撃陣も4回以降は岐阜城北・左腕尾藤をとらえきれなかった。
 この試合の先発松隈は立ち上がりから球が高めに浮いて制球に苦しみ、四球と連打の一死満塁に犠飛で先制点を失った。1点を追う3回表、安打や敵失などで二死満塁の好機をつかみ、廣井の中前への2点適時打で竹中、古宮が相次いで生還。さらに満塁とした後橋本の走者一掃の中越え二塁打や竹中の適時打などで計6点を奪って一度は逆転した。しかし直後の3回裏、2回途中から救援した竹中が捕まった。一死から水川の右前安打に失策でピンチを広げ、尾藤、間宮の連続二塁打など5安打を浴びて同点とされた。続く4回には尾藤の2点本塁打で勝ち越され、5回にも1点、7回には守りのミスをつかれて1点と小刻みに追加点を奪われて劣勢となった。
 7回には松隈の右翼線三塁打と橋本の4打点目となる左中間二塁打で1点を返し、さらに二死満塁まで攻め立てたが得点することができなかった。先発松隈の予想外の速い降板と守備の乱れが惜しまれる。
 岐阜城北はエース尾藤が左腕からの130キロ後半の直球とスライダーで強打の智辯打線に対して真っ向から勝負をして11三振を奪う力投を見せ、打線も長短15安打の猛攻で優勝候補を破った。