第97回<平成27年>全国高等学校野球選手権

和歌山大会

<準決勝> 智辯和歌山 6-1 箕島
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
智辯和歌山 0 0 0 4 0 0 0 2 0 6
箕島 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1

 智辯和歌山が投打ともに優勢に試合を運び、2年連続の決勝進出を決めた。
 4回一死1塁、春野の右翼フェンス直撃の二塁打で先制。2死球で満塁とし、大石の犠飛、二死満塁から野口の二塁打で加点した。8回は一死2塁から斎藤、野口の連打で突き放した。箕島は4回、先頭井上の左越え本塁打で反撃。松尾が単打で続き、智辯和歌山の主戦・斎藤を引きずり出し、さらに武田、富山の連打で一死満塁と攻めたてた。だが、その後は無安打に抑えられて点差を詰められず、5回以降は走者を出さなかった。

<準決勝> 田辺工 0-15 和歌山商
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
田辺工 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
和歌山商 2 3 1 3 2 1 3 0 × 15

 ノーシードから勝ち上がった両校。和歌山商が投打で圧倒し39年ぶりの決勝進出を決めた。
 和歌山商は、1回二死2塁から、4番田嶋の左翼線二塁打で先制。よく当たった中軸の中でも、田嶋は4回に2点本塁打を放つ4安打4打点と活躍が光った。投げては3投手の継投で爆発力のある田辺工業打線を散発7安打に抑えた。田辺工は8回以外は走者を出したが、好守に阻まれて無得点。逆に5失策と守備の乱れを突かれ、大量失点した。主戦・那須を下げ、2投手が継投したが、勢いを止められなかった。

<決勝> 和歌山商 0-2 智辯和歌山
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山商 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
智辯和歌山 0 0 0 1 0 0 0 1 × 2

 甲子園への夢をかけた頂上決戦は手に汗握る好ゲームになり、智辯和歌山が3年ぶり21回目の優勝を決めた。
 決勝にふさわしい1点を争う好ゲーム。智辯和歌山は4回、先頭西山が四球を選び、春野の中前安打で無死1,3塁と好機を広げると、打席は高垣。ベンチからのスクイズのサインに応じ、初球を落ち着いて投前に転がして先制した。8回は先頭の野口が2塁強襲の安打で出塁。犠打で二進後、3打席無安打で苦しんていた山本が「目が慣れ、自然に体が動いた」と2球目を右翼線に運び適時二塁打。追加点を挙げた。先発齋藤は自らが「120点の出来だった」というように、コーナーを丁寧に突く安定した投球で完封した。
 和歌山商の先発・中は、4回に今大会の自身初失点を喫したが、智辯和歌山のクリーンアップと三振か四死球かというギリギリの制球で勝負し続けた。攻撃では力んだ振りの三振が多かったが、終盤には徐々にタイミングが合い始め、9回に二死から大谷、田嶋の連打で好機を演出。最後まであきらめない姿勢に球場から大きな拍手が沸いた。

全国大会

<1回戦> 津商 9-4 智辯和歌山
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
津商 0 0 0 1 1 1 3 1 2 9
智辯和歌山 2 0 0 0 0 0 0 2 0 4

 智辯和歌山は津商と対戦し、4-9で敗れた。智辯和歌山は先制したが、守備の乱れから失点が続いた。8回に2点を返したものの試合の流れを変えることができなかった。
 智辯和歌山は1回から果敢に攻めた。先頭打者の野口が左中間に三塁打、続く滝本が左前に適時打を放って先制。さらに主砲、山本が二塁打を放ち、追加点を挙げた。なおも西山の死球で無死1,2塁の好機をつくったが後続が倒れ、たたみかけられなかった。2回以降、追加点を奪えないまま逆転され、5点を追いかける8回、野口が敵失で出塁し、二死1塁から山本が右中間に2点本塁打を放って追い上げた。そして9回、先頭の春野が右前打で出塁したが、二死2塁で打席に立った大石は三ゴロに倒れ、試合終了。4年ぶりの夏の甲子園勝利はならなかった。先発の主戦・齋藤は序盤の3回までは相手に2塁を踏ませず、4奪三振で無失点だったが、4回に失策が絡んで1点を返され、5回にも連打を浴びて同点に追いつかれた。6回には長短打で逆転を許し、7回途中で降板した。継投した3投手も流れを断ち切れずに毎回失策を喫し、立て直せなかった。
 津商は、計7失策を犯した智辯和歌山の守備の乱れを効果的に突き、逆転勝ち。同点の6回に栗谷の適時打で勝ち越し、7回には敵失を足場に小河内と辻の適時三塁打などで3点を加えて突き放した。先発の坂倉は制球が良く、7回途中2失点と力投した。