第13回<昭和2年>全国中等学校野球選手権大会

紀和大会

<準決勝> 和歌山中 15-3 田辺中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山中 1 0 0 2 8 2 2 0 0 15
田辺中 0 1 0 1 0 0 0 0 1 3

 田辺・山中投手は変化球で巧みに和歌山中打線をかわし、4回まで善戦したが5回に至り、集中打を浴び、バックスのエラーも加わって大量8点を奪われ大勢を決した。田辺はこれに意気消沈して攻撃振るわず2・4・9回に各1点を返したのみ、留居軍ながら和歌山中は回を重ね山中の球に慣れるに従い真価を発揮して悠々決勝に勝ち進む。

<決勝> 和歌山商 0-1 和歌山中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山商 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
和歌山中 0 0 0 1 0 0 0 0 × 1

 前日強敵を破った和歌山商の有利かと思われたが、1回和歌山商トップ打者二匍失に一挙三進、一死後、塩谷手固くスクイズを企てたが、バントした球がころがらず捕手拾って三塁走者をタッチアウト、先行の機を逸す。3回にも二死満塁となりながら後続凡退、しばしば得点機を逸してあせり気味となり、8回にも細野安打と四球2で満塁と攻め立たてたが後続打者三振して無得点に終わった。
 和歌山中は4回脇所死球、石本のバント暴投に生き橋本四球で満塁となり、橋本の捕前バントは脇所を封殺したが、谷田の内野安打に貴重な1点を挙げ和歌山中2軍優勝す。
 和歌山商は前日ライバル海草中を破ったため却って優勝を意識してか、固くなりしばしば走者を出しながら肝心なところで適時安打が出ず三振14個を数えて悲涙を呑む。

全国大会

<1回戦> 和歌山中 0-8 鹿児島商
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山中 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
鹿児島商 0 2 2 2 0 2 0 0 × 8

 急造の留守チームでは本舞台の活躍は覚束なく、2回福本四球、二盗した後、谷田の投匍で三塁に拠ったのみ。安打1本の貧攻ぶりで守っては8個のエラーを演じて大敗を喫した。鹿児島商は2・3・4回内野陣の連失に安打を織りまぜて労せずして各2点を入れ楽勝した。