第72回<平成12年>選抜高等学校野球大会

<1回戦> 智辯和歌山 20-8 丸亀
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
智辯和歌山 1 7 3 0 4 0 2 2 1 20
丸亀 1 0 1 0 0 0 1 4 1 8

 智辯和歌山の強力打線が本領を発揮。先発全員安打で1試合のチーム最多安打記録を更新する24安打を放って圧勝した。
 同点で迎えた2回、堤野、武内、後藤の3本の三塁打を含む5連安打などで7点にも追加点を挙げ、8回には池辺の2ラン本塁打など20点の猛攻で強打ぶりを見せつけた。公式戦初先発の中家は再三走者を背負い、2点を失ったものの打線の援護もあって大役を果たした。
 丸亀は柿本、宮本の長打など17安打を放って食い下がったが、投手陣が緩急をうまく使う投球ができず、打ち込まれたのが響いた。

<2回戦> 智辯和歌山 9-6 国士館
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
智辯和歌山 0 0 0 1 0 0 0 8 0 9
国士館 3 0 0 0 0 0 1 2 0 6

 3点リードされた智辯和歌山は8回、それまで3安打に抑え込まれていた国士館の主戦小島を一気に攻め、5連打を含む7安打の猛攻で8点を奪い逆転。国士館の反撃をしのいで逃げ切った。
 智辯和歌山は8回、一死から青山の安打と犠打失策で一、二塁とし、小関の右前安打で1点。二死満塁から池辺の一塁ベース当たる幸運な安打など、5連続適時打を含む打者12人の猛攻で計8点を奪った。先発中家は、1回に3点を失ったものの、その後安定した投球で7回まで好投し、逆転直後のピンチに登板した山野が粘りの投球で後続を断ち、苦しみながらも3回戦へ駒を進めた。

<準々決勝> 智辯和歌山 1-0 柳川
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
智辯和歌山 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
柳川 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

 強打で勝ち抜いてきた智辯和歌山は投手戦を制し、4年ぶりのベスト4進出を決めた。その原動力となったのは、今大会不調を極めていた白野。大会屈指の好投手とされる柳川の香月太と互角に投げ合い、再三走者を背負いながら4安打で完封した。
 智辯和歌山はワンチュンスを生かした。3回二死一、三塁から、武内が三遊間を破り貴重な先制点を挙げた。白野は6回まで、4回を除いて毎回3塁を許しながら後続を断つ好投を見せていた。最大のピンチは5回。2四球と安打で無死満塁とされたが、2番の古賀を二ゴロ、続く3番の松尾も二ゴロで併殺と、守備陣も勝負どころで堅守を見せて白野を支えた。しり上がりに調子をあげた白野は6回以降無四球で、9回も三者三振でしめくくって、準決勝進出の原動力となった。
 柳川は5回の無死満塁など、5度も得点圏に走者を進めながらあと1本がでず、香月太の14奪三振の力投も報われなった。

<準決勝> 智辯和歌山 10-2 国学院栃木
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
智辯和歌山 3 0 1 0 0 3 0 3 0 10
国学院栃木 0 0 0 0 0 1 0 0 1 2

 智辯和歌山は準決勝で国学院栃木と対戦、打線が15安打で10点を挙げ、先発の中家が2失点で完投。投打の歯車ががっちりかみ合う理想的な試合運びで4年ぶり3回目の決勝進出を決めた。
 智辯和歌山は立ち上がり制球の定まらない大川から、2四球と1安打一死満塁とし、後藤の走者一掃の三塁打で3点先制。さらに6回は、青山、堤野、武内の適時打など6安打を集めて差を広げた。守っても、初回、後藤が盗塁を阻止して相手の機動力を封じ、中家もこれで自分のペースを取り戻して、10安打されながらも粘り強く投げて公式戦初完投を果たした。

<決勝> 智辯和歌山 2-4 東海大相模
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
智辯和歌山 0 1 0 0 0 1 0 0 0 2
東海大相模 1 1 0 0 0 0 0 2 × 4

 初戦から快進撃を続け、全国にハイレベルの実力をアピールした智辯和歌山は東海大相模と対戦。攻守の連続で息詰まる接戦を展開したが、2-4で惜敗し、2度目の優勝はならなかった。
 東海大相模は5度の送りバントをきっちり決めて、タイムリーを引き出す手堅い野球と、堅い守り、果断な走塁で初優勝を飾り、神奈川県勢としては2年ぶり4回目の全国制覇となった。
 1回一死から四球の瀬戸を送ったあと今森が右前に先制打。2回も四球の石井をバントで進め、寺井が適時打。同点で迎えた8回には、中前打の松崎を送り、橧原が中堅左に勝ち越し打。さらに二死二塁から村山の内野ゴロが敵失を誘い4点目を挙げ、守備陣も3連投の筑川をもり立てた。
 智辯和歌山は2回、二塁打の井口を白野の中前打で還し同点。6回にも安打の後藤をバントで進め、井口の適時打で再度追いついた。球筋を見極め、甘い球を打つ打撃で11安打と筑川をあと一歩まで追いつめ、左腕・白野も、適度に荒れて東海大相模を6安打に抑える好投を見せたが、最後に力尽きた。