＜1回戦＞　伊都 0－2 札幌商

　札幌商・中村、伊都・福田両投手の力投で今大会初めての1点を争う緊迫した投手戦となった。左腕・福田の胸元をつく速球に3回まで抑えられていた札幌商は4回、先頭の神田弟が死球で出塁。札幌商ベンチはここで4番、鈴木に送らせる手堅い作戦をとり、これが成功した。続く西川は内角球につまりながら中前にポトリと落とす幸運な安打。思い切って突っ込んだ中堅手がスライディングキャッチしようとしたが届かず、この間に二塁から神田弟が生還、貴重な1点を挙げた。
　これに対し、初回、先頭の前がいきなり右翼線二塁打した伊都はこのあと一死三塁としながら強攻策が裏目に出て先取点のチャンスをつぶしたのが痛かった。2回以降は中村はすばらしいピッチング。打者の手元でグッと伸びる速球を内外角に投げわけてカウントをかせぎ、勝負球に使った切れのいいカーブに伊都打線はタイミングをはずされ、2回以降ノーヒットに抑えられた。
　7回には四球と盗塁などで一死三塁と同点のチャンスを迎えたがここでも強気の攻めで併殺され、8回裏、先頭の札幌商・阿部に左翼ラッキーゾーンへ大会第6号を打ち込まれ、万事休した。
　札幌商の勝因はなんといっても1安打に完封した中村の好投にあるが、それをもり立てた打線、守備陣はよく鍛えられていた。