第23回<昭和12年>全国中等学校野球選手権大会

紀和大会

<準決勝> 箕島商 0-18 海草中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
箕島商 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
海草中 2 1 1 0 7 2 4 1 × 18

 箕島商は選球眼悪く悪球に手を出したのに反し、海草中は箕島投手が条件を整えんとして投げ込む直球を逃さず打ち込み4回を除き毎回得点を加え一方的に大勝した。箕島商に闘志がみられなかったのも得点差を一層大きくした感があった。

<準決勝> 和歌山中 2-1 海南中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山中 0 0 1 0 0 0 0 0 0
海南中 0 0 0 0 0 0 1 0 0
10 11 12
0 0 1 2
0 0 0 1

 準決にふさわしい好試合を演じた。殊に両軍守備は実に鮮かで光っていたが、攻撃において海南中の打者が好球を見逃していたのが試合のキーポイントをなしていたものといえよう。又和歌山中・吉田投手は良く球をミックスして最後まで好投を続けていたのも見事だった。只海南中はが11回に入って投手交代したのは西岡がそんなに疲労もしていず調子も良かっただけに不思議に堪えないが、この大接戦まことに敗れて悔ないものであった。

<決勝> 和歌山中 3-4 海草中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
和歌山中 0 0 0 0 1 0 1 0 1 3
海草中 0 0 0 0 0 3 1 0 × 4

 優勝戦に相応しく息詰まる接戦を演じた。前半は全く互角で3回和歌山中二死後、山西二塁打、4回海草中・松井右翼線に二塁打したが共に入らず、5回和歌山中一死後、大江右中間に三塁打し島スクイズを気にし過ぎで暴投で1点を先取、6回表木村中越二塁打し小谷の右飛に三進後、スクイズ失敗で三本間に挾段されチャンスを逸す。
 その裏、海草中遊匍失と四球に走者を出しバントに送られ島一匍すれば、野手の本塁送球遅れ竹尻生還、続く皆岡三塁右を抜く二塁打し2者を迎え遂に2点リードす。
 7回海草中はここで出来の良くない島を退け松井をプレートに送ったが和歌山中・西本死球、下野江テキサス、吉田のバント投手一塁へ暴投して1点かえせば、海草中・古角左前安打、二死後岩出適時安打して1点を追加、シーソーゲームを演じ満場騒然、最終回、和歌山中二死後、山西遊匍高投に二進、木村三匍失にその差1点差と迫り場内かたずを呑む中小谷投匍して万事休し海草中に凱歌揚がる。終始力の籠った好ゲームだった。

<紀和決勝> 郡山中 1-11 海草中

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9
郡山中 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
海草中 1 7 0 0 0 0 2 1 × 11

 1回海草中・松井四球バント二進後、島遊匍悪投に生きる間に好走1点挙げ、2回には一死後、金の二越テキサスを初め古角、竹尻、岩出、島、坂田、加茂と7本の長短打を集中して一挙7点を加えて大勢を決した。
 投打に相当開きがあり小杉投手が不調とあってはどうにもならないが、2回、未完成投手と交代せしめた策は当を得てなかった。
 7回海草中は一死満塁、岩出一匍後、島の中前安打に止どめの2点を加え、8回にも安打の坂田二盗、捕手の高投に一挙生還、2ヶ年振りに海草中紀和代表となる。

全国大会

<2回戦> 徳島商 0-1 海草中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
徳島商 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
海草中 0 0 1 0 0 0 0 0 × 1

 林・島の対戦は注目されたが前半の経過は極めて芳しくなく凡戦に終始した。即ち1回徳島は折角の好機に4番打者2ストライク後バント失敗に終わったのは小細工に過ぎた嫌いがあった。海草中は一死満塁と攻め立てながら坂田右飛に走塁を誤って得点成らず、その後も捕手が邪飛を見失ったり、走者がトリックにかかったり、凡プレー多く徳島商は遂の投手の暴投と捕逸に1点を与え、海草中の三塁手坂田の美技を最後に徳島商は諦め難い一戦を失った。海草中はいささか固くなった嫌いがあったが、闘志に勝り徳島商は好感を持ち得るチームであったが、いささかファイトに欠け初陣を失った。

<3回戦> 北海中 1-13 海草中
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
北海中 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
海草中 2 5 1 1 1 0 3 0 × 13

 北海中・大橋投手の出来は大して不調と思われなかったが、海草中待球主義に出て選球眼良く2個の四球と遊失に1点を先取したのを始め、2回には古角死球、竹尻四球を選ぶや松井三塁越安打、岩出二塁打、島三塁打と攻撃大いに振って一挙5点を入れ、スタートにおいてよく機先を制して回を追って実力を発揮して大勝した。北海中は島の外角を外れるボールと浮き気味の速球を打ちあぐみ、前半大量得点を与えて反撃の機をつかめず大敗した。

<準決勝> 海草中 1-3 中京商
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
海草中 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1
中京商 0 0 3 0 0 0 0 0 × 3

 試合は両投手の健闘から経過の変化乏しい嫌いはあったが打者を狙う投手の球道、投手を狙う打者の気組に言うべからざる味わいが有り終回まで興味がつながれた。海草中の守備には加茂一塁手や古角中堅手の飛離れた美技があり1失を記録したに過ぎず、好試合に敗れたもので惜しまれるのは只3回の破綻であった。
 海草中は3回古角四球、竹尻のバントで二進し二死後、二匍失に1点を先取したが、その裏、中京商は野口・石井の好打に反撃を見せ忽ち3点を入れ逆に2点リードした。海草中には遊撃手が投手より封殺球を落とした失策があったが、この得点は四球1、安打2、失策1に加えて三塁走者を置いて右翼大飛球があり止むを得ない点であった。この試合中京商は流石に貫禄を示したが、海草中としても敗れて悔なき善戦と言えよう。