第81回<平成11年> 全国高等学校野球選手権

和歌山大会

<準決勝>

大会タイ記録の1試合4本塁打を放った智辯和歌山が和歌山工を圧倒した。
智辯和歌山は1回、久米が先頭打者本塁打を左翼席に打つと4番の佐々木も右翼席に流し打って2点を先制。3回は堤野のソロ本塁打、中盤に長短4安打に4四球を絡めて4点追加。7回には、佐々木が2本目の本塁打を左中間に放ち、9回にも3本の長短打で2点を加えて、勝負を決めた。
和歌山工も意地を見せた。10点差をつけられた7回、一死満塁から内野ゴロで1点返し反撃。8回にも千原が左中間に二塁打を放って1点を追加し、最後まであきらめなかったが、走塁ミスで2度、得点機を逸したのが惜しまれる。

17年ぶりの優勝を目指す南部が13安打を放ち、創部10年目で初の決勝進出を目指して追いすがる国際開洋二を振り切って、9年ぶりに決勝へ進んだ。
南部は2回、二死一、三塁から松本の適時打で先制。4回には敵失をきっかけに中谷の本塁打などで勝ち越した。
主戦中嵜は、前半こそ国際開洋二打線に苦しんだが、後半はすっかり立ち直り、特に6回以降は走者を出さない完ぺきな投球を見せた。
国際開洋二も粘りを見せた。3回には二死二、三塁三原が敵失を誘って同点。4回には、一死一、三塁から多田が右翼席へ3点本塁打を放ち、1点差にまで迫った。さらに二死一、三塁の好機をつくったが、追撃もここまで、あと一歩及ばなかった。

<決勝>

見事な集中打を見せて2点差をはね返した智辯和歌山が、追いすがる南部を振りきって逆転勝ちし、戦後初の4年連続で9回目の優勝を果たした。
智辯和歌山は立ち上がりから先手を取られたが、3回には久米、佐々木の長短打で同点。再度突き放された5回には、内野ゴロで1点、7回にも1四球をはさんで久米、池辺の安打で二死満塁とすると、疲れの見える中嵜から武内が中前打して同点。8回には犠打と敵失をからめ、一死一、三塁の好機。続く堤野は遊撃手を強襲する安打を放って勝ち越し、さらに4番佐々木の右中間を破る2点二塁打で引き離した。智辯和歌山の井上は、選球眼良く逆らわずに打ち返す南部打線に苦しんだが、5回以降毎回走者を出しながらも要所をしめ、粘り強い投球で南部打線を抑えきった。

南部は幸先のいい立ち上がりだった。1回、2四球と内野安打で一死満塁に、日下の内野ゴロで1点先制した。その後も押し気味に試合を進め、4回にも一死満塁から中嵜の適時打で2点を追加、先手を取ったが、続く満塁の好機を逸したのが響いた。先発の中嵜は連投にもかかわらず、強力な智辯和歌山打線をあいてに8回で交代するまで直球主体の投球で立ち向かったが、後半立ち直った井上の切れのいいカーブを打ち崩せず、後続を断ちきられ、17年ぶりの優勝は成らなかった。

全国大会

<2回戦>

最後の打者の打球が川崎から堤野にわたり、智辯和歌山は城東を5-2で破り、3年連続で初戦を突破した。
相手投手の緩急をつけた投球の前に、5回まで2安打と苦戦したが、後半は自慢の打線のつながりを見せた。同点で迎えた6回一死一、三塁で武内の右前適時打で勝ち越し。7回に久米の犠飛で1点を加えると、8回には長打力を見せつけた。4番佐々木のバックスクリーンへ飛び込む本塁打。さらに、池辺と本丸の二塁打で加点し、ペースをつかんだ。

前半は苦しい展開が続いた。先制した後の2回、城東の先頭打者の飛球を見失って三塁打となり、一死後、内野安打で同点。さらに4回には、3安打で二死満塁とさrたが、続く右翼後方の飛球を久米が好捕し、ピンチを未然に防いだ。
井上は変化球の制球に苦しんだが、福地の直球主体の組立に救われ、4点リードで迎えた9回無死一、二塁のピンチも何とか1点で切り抜けた。前半のしのぎ合いを守り切った智辯和歌山は、苦しい中にも確かな戦いぶりで、3回戦に進出した。

<3回戦>

久米の2点本塁打で先制した智辯和歌山は、追加点が取れない緊迫した試合展開の中、終盤のピンチを再三の攻守で守りきり、投げては主戦・井上が相手打線を3安打に完封し、準々決勝に進出した。
尽誠学園の主戦・森本の術中にはまりかけていた智辯和歌山打線は、3回二死、井上の幸運な一塁後方のテキサス安打で流れを引き寄せた。続く久米が6球目の甘く入ったスライダーをフルスイングすると、左翼席に飛び込む2点本塁打となって先制した。その後も再三走者を出したが、強気の投球をする森本から追加点が奪えない苦しい展開となったが、鍛えぬいた守備で力投する井上を支えた。

前進守備で重圧をかけて犠牲バント失敗させ、盗塁も福地が封じ、6回まで二塁を踏ませない。7回の二死三塁では川崎が強肩を見せ、8回の一死一塁では佐々木の横っ飛びの好捕で併殺と要所で攻守を見せ、リズムをつかんだ井上はボール球を巧みに織り交ぜ、長打力のある尽誠打線に的を絞らせず、完封勝ちをした。

<準々決勝>

智辯和歌山は終盤の見事な集中打で柏陵に逆転勝ちし、2年ぶりの準決勝進出を果たした。
7回まで1安打と、柏陵の左腕・清水の巧みな投球の前に沈黙していた智辯和歌山打線は、2点を追う8回、打者9人を送って、6本の長短打に犠打を絡めて一挙に逆転した。

この回、まず先頭の久米が中前安打。犠打をはさみ福地、佐々木の連打で1点差にし、池辺も安打でつないだ一死満塁のチャンスに、武内が左中間に走者一掃の三塁打を放って逆転、二死後、川崎の適時打で加点した。
制球が定まらず、再三走者を出す井上をこの日も無失策の野手がもり立てた。先制された2回には内野陣の冷静な挟殺プレーでピンチを防ぎ、5回の二死満塁も追加点を与えず、その後6、7回にも走者を許したが、いずれも内野の堅い守りでしのいだ。逆転した直後の8回、無死一塁も打球が井上の正面をついて併殺と、運も味方して相手の反撃の芽をつんだ。

<準決勝>

智辯和歌山は決勝進出をかけて岡山理大付と対戦し、惜しくも逆転サヨナラ負けした。
先制された智辯和歌山は3回、四球で出た川崎を犠打で送ると、久米が一、二塁間を破り同点。さらに犠打や、積極的な盗塁で進塁し、福地の中前適時打で逆転。5回には、中前安打の井上を一塁に置いて、久米が大会2本目の本塁打を左中間に放って加点し、3点のリードを奪った。守備もこれまで通りさえて、2回は久米の好返球で、4回には川崎の好捕でいずれも走者を仕留めた。

しかし、6回以降毎回走者を出しながら得点できず、主戦・井上も、終盤に毎回走者を許しながらも粘りの投球を続けていたが、試合の流れは徐々に相手の方へ傾いていった。7回、3本の長短打で1点差とされ、8回の二死一、二塁のピンチはしのいだが、ついに最終回に岡山理大付打線に捕まって、2安打と失策の二死満塁から左中間に痛打されて力尽き、2度目の全国制覇ならなかった。