第83回<平成13年>全国高等学校選手権

和歌山大会

<準決勝> 海南 1-5 南部
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
海南 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
南部 1 0 1 0 2 1 0 0 × 5

 盗塁はゼロながら、7犠打を決める堅実な攻撃で南部が20年ぶりに準決勝に進んだ海南を振り切り、3年連続8回目の決勝進出を果たした。
 1-1で迎えた3回、南部は内野安打の作野を犠牲バントで2塁へ送り、4番下川が適時打を放ち、勝ち越し。5回にも池口の適時打と寛座のスクイズで2点を追加。6回には入江の本塁打も飛び出した。海南は1回、二死3塁から石井の適時打で1点を先制した。だが、初戦から700球以上投げ、「肩に重さがあった」という海南・橋爪孝はいつもの球威を欠き、変化球を狙い打ちされた。新チーム結成以来、公式戦で勝利はなかったものの、はつらつとしたプレーで4強に進んだ海南には、スタンドから温かい拍手が送られた。6回には入江の本塁打も飛び出した。海南は1回、二死3塁から石井の適時打で1点を先制した。だが、初戦から700球以上投げ、「肩に重さがあった」という海南・橋爪孝はいつもの球威を欠き、変化球を狙い打ちされた。新チーム結成以来、公式戦で勝利はなかったものの、はつらつとしたプレーで4強に進んだ海南には、スタンドから温かい拍手が送られた。

<準決勝> 箕島 2-5 初芝橋本
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
箕島 0 1 0 0 0 0 0 1 0 2
初芝橋本 0 0 2 0 0 0 0 3 × 5

 少ない好機を確実にものにした初芝橋本が、主戦・若松の粘り強い投球や主将宇都の活躍などで箕島を突き放し、91年の創部以来初の決勝進出を果たした。
 1点を先制された初芝橋本は3回、二死から連打と盗塁を絡めて1,3塁とし、宇都が走者一掃の二塁打。同点においつかれた8回、一死1,2塁から再度宇都の適時打で勝ち越した。さらに上野が2点適時三塁打を放ち、試合を決めた。
 箕島は2回、曽和が左翼へ先制本塁打。8回には一死1,2塁から瀧谷が適時打を放って追いつく粘りを見せたが、満塁の好機を逸するなど、あと一歩で涙をのんだ。

<決勝> 初芝橋本 3-2 南部
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
初芝橋本 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 1 3
南部 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 2

 初芝橋本は延長12回の末、3-2で南部を制して37校の頂点に立ち、創部11年目で初の甲子園出場を果たした。
 91年の創部以来初めて決勝に進んだ初芝橋本と、3年連続決勝戦に進んだ南部。ともに9安打ながら、南部は7犠打、初芝橋本は4盗塁とそれぞれの持ち味を発揮。がっぷりと組み合った試合は、決勝として89年以来の延長戦にもつれ込んだ。
 「1回、1回が最終回だと思ってグランドにむかえ」—。試合前、初芝橋本の森中監督はナインにげきを飛ばした。その言葉に選手は答えた。延長12回、山崎信が内野安打で出塁し、盗塁などで二死3塁。ここで、この日ここまで安打のない3番上野の適時二塁打で勝ち越し。これが決勝点になった。
 この日の初芝橋本のエース若松は、キレのいい変化球を軸にして南部打線を抑えた。だが、思いがけないアクシデントが若松を襲った。8回、強烈な打球を足に受けた。投球への影響が心配されたが、ベンチで冷やしながら踏ん張った。何より若松を支えたのは、「自分を信じて投げろ。おれたちが守ってやる」という宇都主将の言葉だった。全員でつかんだ優勝だった。
 南部は1回、先頭の作野が中前安打で出塁。2番山内の犠打と敵失も絡んで無死1,3塁。ここで3番井戸のスクイズで先制。今年の南部らしい点の取り方で上々の立ち上がりだった。しかし、守備では5失策、また、9回一死2塁で打者のバントに2塁走者が反応しないなど、南部らしくないところも一部で見られた。「センバツに出場したことで注目され、選手にもプレッシャーがあったのかもしれない」と井戸監督は言う。
 5回には同点に追いついたが、後半は毎回のように走者を出すものの、あと一本がどうしても出なかった。甲子園への夢は断たれたが、3年連続決勝進出という南部も実力は誰もが認めるところ。敗れはしたものの、春夏連続出場を期待する重圧の中で、接戦を勝ち抜いてきた南部ナインに、スタンドから惜しみない拍手が送られた。

全国大会

<2回戦> 初芝橋本 2-9 光星学院
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
初芝橋本 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2
光星学院 4 0 2 0 3 0 0 0 × 9

 初芝橋本は青森代表の光星学院と対戦。序盤に打ち込まれたが、2年生投手陣の若松、中本が力投。少ない好機を生かして2点を挙げた。初めての甲子園での初戦突破はならなかったが、チーム全員で誓った目標は果たされた。
 いつまで続くのか。長い1回裏の光星学院の攻撃だった。5安打1死球で打者9人。立ち上がりをたたかれていきなり4点、3、5回にもまた打ち込まれて計9点を奪われた。
 初芝橋本の応援席がわいたのは3回表。宇都首相の適時打で1点を返す。さらに、楠本の犠飛で2点差に迫った。5回に入り、照明が点灯した。だが苦戦が続く。9回表二死。懸命の応援が続くが、試合終了。初芝橋本の「夏」は終わった。