第100回<平成30年>全国高等学校野球選手権

和歌山大会

<準決勝> 市和歌山 7-3 向陽
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
市和歌山 0 3 0 3 0 1 0 0 0 7
向陽 0 0 1 0 0 1 1 0 0 3

 市和歌山は継投がさえ、主導権を逃さずに向陽とのシード校対決を制し、2年ぶり9回目の決勝進出を決めた。
 市和歌山が序盤からリードを築いて試合を進めた。2回二死走者なしから緒方、金田の連続二塁打で先制。さらに吉田の右前適時打などでこの回計3点を挙げた。4回は二死2、3塁からの柑本の適時三塁打などで計3点を追加。6回は再び柑本の適時打で1点を奪い、突き放した。投げては金田、奴田、津熊の継投で逃げ切った。
 向陽は3回、内野安打の上山が二盗し中彌の適時打で1点。6回は小林の犠飛で1点、7回も二死から四球と酒井、島本の連打で1点を返すなど粘りを見せたが、及ばなかった。

<準決勝> 智辯和歌山 11-3 紀北工
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
智辯和歌山 0 0 0 6 1 3 1     11
紀北工 0 0 0 1 0 0 2     3

 智辯和歌山が強打を発揮して大会史上初の4試合連続の2桁得点、コールド勝ちを収め、2年連続24回目の決勝進出を決めた。
 智辯和歌山は4回、黒川の二塁打を足がかりに二死3塁として、相手の暴投で先制。四球の後、神先、西川の連打で1点。さらに四球後、文元が左越え満塁本塁打を放ち、この回計6点を挙げた。5回は東妻の適時二塁打で1点、6回は2犠飛などで3点を追加した。7回には代打・細川が右越え本塁打を放った。
 紀北工は、6点を追う4回、大西の安打などで一死1、3塁とし南のスクイズ(記録が犠打野選)で1点を返す。7回も小西の適時打などで点を加えたが、反撃もそこまで。楠は3回まで1安打に抑える好投を見せ、中盤に智辯和歌山打線にとらえられたものの、7回を1人で投げ切った。

<決勝> 市和歌山 6-7 智辯和歌山 
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
市和歌山 1 2 0 0 0 1 0 0 2 6
智辯和歌山 0 1 2 2 1 0 0 0 7

 サヨナラの劇的な幕切れで、この夏の頂点が決まった。智辯和歌山が2年連続23回目となる夏の甲子園の切符を手にした。決勝にふさわしい手に汗握る熱戦に、何度もスタンドが歓喜に包まれた。
 智辯和歌山9回サヨナラで打撃戦の決着をつけた。3点を追う2回、先頭の5番冨田の左越えソロで1点をかえす。3回は神先の右前安打や敵失などで迎えた二死1、2塁で、文元が左越え適時二塁打を放ち同点に。4回にはすかさず、根来の右越え二塁打、東妻の左前適時打で勝ち越し、神先の右前適時打でさらに1点を加える。5回にも東妻の左中間適時打三塁打で6点目。同点にされた9回は、林が敵失で出塁、捕逸や犠打で進み、黒川の右犠飛で頭から滑り込んで生還した。主戦の平田は序盤は安定しなかったが徐々に調子を上げた。打たれながらも9回を逃げ切った。
 市和歌山の打撃も見事だった。1回、先頭の吉田が右越え二塁打。続く柑本の中越え適時二塁打で先に点を取った。2回も吉田の左中間適時三塁打や柑本の中前適時打で計2点を挙げた。6回は四球や柑本の右前安打で好機をつくり敵失で1点をかえした。2点を追う9回は代打・林が左越え2ランを放ち試合を振り出しに戻した。投手は柏山、奴田、金田、津熊の継投で智辯和歌山の打線に立ち向かった。

全国大会

<1回戦> 近江 7-3 智辯和歌山
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
近江 0 0 0 2 1 0 0 3 1 7
智辯和歌山 0 2 0 0 0 0 0 0 1 3

 18年ぶりの夏の優勝を目指した智辯和歌山は、滋賀代表の近江と対戦した。相手の継投に苦しみ、持ち前の打力を発揮できず、初戦敗退となった。涙を流した選手たちに3万2千人から温かい拍手が送られた。
 智辯和歌山打線は小刻みに4投手を継投した近江に苦戦を強いられた。2回、一死1、2塁から、東妻が難しいコースの球を技ありの安打で中前に運び1点を先制。続く平田のスクイズで2点目を入れた。勝ち越しを許した5回には、平田と西川の安打で一死1、3塁と好機をつくったが、林が三振。続く文元が死球を受け二死満塁とするが、冨田が二ゴロに打ち取られ後が続かない。続く6回一死1、2塁にもあと1本が出なかった。5点を追う9回は、一死満塁から途中出場の本多の犠飛で1点を返したが、後が続かずゲームセット。10安打を放ったが、12残塁と打線がつながりを欠いた。
 先発平田は上々の立ち上がりをみせた。初回、先頭打者を内野安打で出すが無失点で切り抜け、2回は三者凡退に打ち取った。3回まで直球とスライダーを低めに集め、無失点。だが、4回、5回と本塁打を運ばれた。8回、粘投を続けた平田が二死をとりながら、3番に適時打、4番に本塁打を浴びて点差を広げられ、マウンドを降りた。
 近江は2点を追う4回、反撃ののろしをあげる。先頭打者が内野安打で出て、盗塁で一死2塁。北村が直球を左中間スタンドに運び同点。さらに5回にも山田の右中間本塁打で勝ち越した。8回は家田の適時打と北村の左越え2点本塁打で計3点を奪った。9回には、さらに1点を追加した。守っては4人の継投が決まった。