第52回<昭和55年>選抜高等学校野球大会

<1回戦> 新宮 1-9 高知商
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
新宮 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
高知商 0 0 0 5 1 1 0 2 × 9

 高知商は打線が一巡したあとの4回、新宮の大石投手を一気に攻略した。一死後上田修が三遊間を破り、中西の右翼線安打で一、三塁。続く沢田が四球を選んで満塁とした。まず中城の中犠飛で1点。さらにこのあとの下位打線のバッティングが見事だった。堀川左前安打、宮本左翼線二塁打、小島右前安打、いずれも大石の球を手元に十分引き付けてたたいた3連打、あっという間の大量5点の先取だった。
 高知商はさらに5回、相手内野守備の乱れで、労せずして1点、6回にも二死から小島、家竹、上田卓の3連打が出て1点と着実に加点し新宮を突き放した。
 8回まで5安打の散発に抑えられていた新宮は最終回に反撃、先頭の岡本が三塁内野安打、三塁手の一塁への悪送球で二進、浜口が左中間突破の二塁打を放って岡本が還った。続く土井の一打も一塁手の左をライナーで襲ったが一塁手に好捕され、二塁走者の浜口が帰塁できず併殺、このあと中家の安打が出ただけに惜しまれる一打だった。
 高知商の中西は9回こそ新宮打線につかまったが、評判通りの好投手だ。カーブのコントロールが抜群。有利なカウントに追い込んで自由自在に打者を料理していった。打者も上、下位どこからでもチャンスをつかんで、たたみかけていくところなど堂々たる横綱相撲だった。